当社には「航空機をつくりたい」という夢を持った人がたくさん入社し、活躍しています。
ここでは、航空業界のエンジニアとして将来を担う当社社員のインタビューを紹介いたします。

"専門技術を次の世代へ繋いでいく"

滝敏美 取締役CTO(特別技術責任者) 上部写真左

川崎重工業にて40年間、構造技術者として数多くの航空機開発に従事。
航空機の構造に関する著書・訳書、技術論文も多数。
工学博士。2020年よりナスカに参画し、ナスカの技術継承と育成を担う。

淺田武治 上部写真右

2000年のナスカ設立時より在籍。
大手航空機メーカーで民間機・防衛省向けの機体に携わる。
構造解析を専門とし、技術者として活躍する一方、マネージャーとしてナスカの経営企画にも携わる。

お二人の関係は?

◇滝
1999年エンブラエルの機体の開発のためブラジルへ行きました。翌年2000年に帰国し、川崎重工業にエンブラエルの設計チームが出来ました。ナスカが設立したばかりの時で、ナスカの社員も何名かチームに加わってもらいました。そこからのご縁です。

〇淺田
その設計チームに解析担当として入った一人です。エルロンやスポイラーの試験では、滝さんと一緒に仕事をしました。

◇滝
ナスカとは最初からのお付き合い。ボーイング787の時もナスカの人に沢山入ってもらいました。その後、XC-2、XP-1の開発とずっとナスカの人と一緒に仕事をしました。ナスカは航空機だけやっているので、技術者のレベルが非常に安定しています。迎え入れる側からすると非常に安心。最初からパートナーとしてかけがえのない会社です。

航空業界を志望したきっかけは?

〇淺田
子どもの頃、空港の近くに住んでおり、飛行機を見に行ったり、利用したりする環境でした。漠然と航空機に関わりたいと思うようになり、パイロットになりたいという気持ちもありましたが、最終的にはエンジニアを道を選びました。

◇滝
小学校に入る前から工作が好きでとにかく何でも作っていました。小学校から中学校でも物を作るのが大好きで色々作っていました。天体望遠鏡を作ったり、模型を作ったりもしていました。飛行機ももちろん好きで、中学校では紙飛行機を作ったりしていました。大学は理系へ進むことにしました。理学部にも行きたかったのですが、やはり飛行機が好きだったので、航空に進み、そのまま航空機の会社を選びました。

印象に残っている仕事は?

〇淺田
ボーイング787-9の開発が終わった時に、楽しかったな、もう一度やりたいと思ったことが一番印象に残っています。一人ではなく、何名かで一緒にやる中で、ある程度取りまとめの立場で仕事もしていました。解析の仕事なので、最初のうちは設計でほぼ出来上がったものに対して強度計算をするのが主ですが、サイジングや設計にも関わり、製品にある程度自分の考えを反映できた思えたところがとても嬉しかったです。辛いこともありましたが、終わった瞬間またやりたいと思いました。そういった気持ちをまた味わいたいと思って今も仕事をしています。

◇滝
最初に担当したX-T4(中等練習機)の開発に一番下っ端で参加出来たことです。非常に優秀な、日本で最高の技術者が集まっていました。何もかも初めのことで、共に仕事をする中で、一人前の技術者がどのような人か具体的に見え、目標が出来ました。このレベルにならないといけないということがわかったのが大きいです。例えば、図面を見てさっと問題点を見つける、図面のチェックをする時には全ての数字をチェックするなど色んな事を学びました。ここまで真面目にやらなければならないのか、一つの数字も疎かにしてはいけないということを実感しました。その経験が後の仕事にも繋がっていきました。

どのように技術を積み上げてきましたか?

〇淺田
最初は航空機のことを何も知らない状態だったので、早く知識を身につけたいと思ってやってきました。周りの人に必要な文献を聞き、勉強してきました。20年以上経っても、日々新しい技術が登場します。積み重ねが大事だと実感しています。

◇滝
初めは知っていることが少ないので、分からない知らないことを一つ一つ理解し、解決していきました。古い海外の機体の維持設計を担当した時に、機体の不具合を確認するために昔の図面や計算書を見たことは非常にためになりました。昔の人もすごいなと感じました。計算書を見て、こんなにすごいレポートと書く人がいるのだと。とても印象に残っており、今でもその計算書を書いた人の名前を覚えています。

航空機に携わる中で大事にしてきたことは?

〇淺田
正直であることです。安全に関わる仕事をしていることをいつも意識しています。当たり前ですが、疑問に思ったことを口にして解決する、納得できるまでこだわることを大切にしてきました。

◇滝
正しい答えを出す、間違いを犯さないようにすることです。図面や計算書において間違いはだめです。安全が第一、いつでもそれを考えていました。

航空機エンジニアの魅力とは?

〇淺田
やっぱり“航空機はかっこいい”に尽きます。関われるだけで誇りを感じます。

◇滝
世界中の技術者と対等にやれることです。海外の技術者とのやり取りの中で、負けているなと感じたこともありますが、一方で、こちらの方が知っていることも多いと感じたことも。振り返ってみると対等で出来ていたと思います。苦しいこと、厳しいことが沢山ありましたが、世界中の技術者と対等にものづくりができることが魅力だと思います。

困難な仕事の乗り越え方は?

〇淺田
難しいことは、目的に戻ることを心掛けています。あとは、航空機の仕事は沢山の人が一緒になってやります。自分だけで抱えないで周りの人にも意見を求めます。優秀なエンジニアが沢山いるので、意見を聞き、乗り越えることが出来ました。

◇滝
航空機の仕事は、こんなことが本当に出来るのだろうか、と思う場面が多々あります。出来るとは思えないこともありましたが、一人でやっているわけではないというところが大きかったです。何とかなるのではないかと考え、皆で取り組み続けることで乗り越えていました。

どのような人材に来てほしいですか?

〇淺田
向上心があり、積極的に質問する人に来てほしい。プライドを持って、胸を張れる仕事をしてほしいですね。

◇滝 
飛行機を好きであってほしいです。好きならば大変なことも頑張れる、乗り越えられる。興味を持って楽しそうに面白そうに仕事をしてくれる人材に来てほしいです。

ナスカ社員の特徴は?

〇淺田
真面目で探求心のある人が多いです。あとは、会社のことを考えてくれる社員が多いと感じます。会社のことを考えて提案してくれたり、動いてくれたりする社員もいます。

◇滝
先日3年目の社員を対象に研修を実施しました。「3年経つと専門家になっているな」と感じました。石の上にも3年、ちゃんと航空機の技術者になっていると感じ嬉しかったです。それぞれの働いている部署が異なりますが、ある程度、新しい人に教えられるだけの知識や能力があると感じました。皆真面目にやっていて、しっかり技術を身につけており、感心しました。とても頼もしく思えました。 

ナスカの良いところは?

〇淺田
取引先からも評価される優秀な人が多いところです。 取引先の各部署が集まる会議で、後輩のナスカ社員が主担当として参加していることが何度もありました。仕事を任されている社員が多く、優秀なエンジニアを輩出出来ていると感じています。

◇滝
航空機に特化しており、技術者の質を追求しているところです。日本では他にはない、ナスカの魅力だと思います。

航空機業界の中でナスカの担う役割は?

〇淺田
技術を繋いでいくということです。ナスカ社員は、最前線で技術者として仕事をしていきます。身につけた技術を次の世代へきちんと伝えていくことが大切と考えています。

◇滝
ナスカは航空機業界においてなくてはならない会社になると思っています。ナスカには専門的なことを長年続けている人がいる。今後貴重な存在となります。専門技術を繋いでいくという役割があると考えています。

これからの人材に期待することは?

〇淺田
皆、航空機の素晴らしい仕事に関わり、いい仕事をしている。誇りと自信をもって取り組んで欲しいです。

◇滝
プロフェッショナルになるということです。狭い分野でもいい、その分野のプロフェッショナルになることで、自分の価値があがる。ナスカのためになり、取引先のためになり、航空業界の役に立つ。ナスカに期待されているのは、プロフェッショナルになること。そうなって欲しいです。

プロフェッショナルとは?

〇淺田
技術を基に、正しい判断が出来ること。そこまでできてプロフェッショナルだと思います。

◇滝
ある仕事をやったらいつも同じ品質レベルを出せる、必ずちゃんとしたレベルの成果を出せることがプロフェッショナルだと思います。

航空機に関わることを目指す人へのメッセージ

〇淺田
航空機の業界には、たくさんのプロフェッショナルがいます。彼らと仕事をするのは本当にやりがいがあります。ぜひ、プロフェッショナルを目指してほしいです。

◇滝
本当に世の中どうなるかわからない時代、職業として何を選ぶのか難しいのではないでしょうか。AIにとって代わられるかどうかといった視点では、航空宇宙業界の仕事は結構いいのではと思っています。今後何十年と航空機に関わる仕事はAIにとって代わられることはないと考えています。

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